【MT5バックテストに出てくる6つのドローダウンを完全整理】〜特に重要な“証拠金ベースの最大DDと相対DD”を徹底解説〜

基礎
この記事は約4分で読めます。

◆はじめに

MT5のバックテスト結果を見ると、以下のようにドローダウンの項目がたくさん表示されます


証拠金最大ドローダウン: 746.09(20.69%)
証拠金相対ドローダウン: 33.58%(341.63)

証拠金絶対ドローダウン: 324.31

残高最大ドローダウン: 549.83(15.85%)
残高相対ドローダウン: 23.32%(234.09)

残高絶対ドローダウン: 230.15

これ実は、

「名前が似すぎてて違いがわからない…」

という声も多いです!

しかし、
このドローダウンの違いを理解しておくことで、EAのリスクを正確に把握できるようになります

◆まずは軽く整理:「残高」と「絶対ドローダウン」はシンプルです

✅残高絶対ドローダウン

スタート時の口座残高と比べて、一番下がった金額。

✅残高最大ドローダウン

残高(確定損益)ベースで、ピークから一番下がった金額。

✅残高相対ドローダウン

残高ベースで、ピークからの下落率(%)が一番大きかったとき。

→ この3つのうち、残高絶対ドローダウンと残高最大ドローダウンは、確定損益ベースであり、含み損は含まれません。
一方、残高相対ドローダウンについては、MT5の仕様によっては、含み損を反映したエクイティ(評価額)ベースで算出されることもあります。
そのため、実際には“評価額の下落率”として表示される場合がある点に注意が必要です。


◆重要なのは「証拠金ベースのドローダウン」です

ドローダウンを本気で理解するなら、
「証拠金ベース」=「含み損を含めた口座のリアルな評価額(エクイティ)」

で見なければ意味がありません。

✅証拠金最大ドローダウン

→ 口座の評価額がピークから最も大きく下がった金額(絶対額)

✅証拠金相対ドローダウン

→ 評価額のピークから割合で最も深く下がったときの比率(%)


◆なぜ証拠金ベースのDDを見るべきなのか?

  • 残高ベースだと“含み損”がカウントされない
    → 見た目だけよく見えるEAに騙される
  • 証拠金ベースだと、実際に口座が危険だった瞬間の状態をリアルに把握できる

◆【時系列】で見る、最大DDと相対DDの違い

以下はあるEAのトレード履歴です👇

日付証拠金(評価額)状況
1/1¥100,000トレードスタート
1/10¥150,000絶好調で資金増加(ピーク)
1/20¥110,000大きく負けて暴落(最大DD発生)
1/25¥80,000少し回復
2/2¥101,600 → ¥67,400小さなピークから急落(相対DD発生
2/10¥90,000回復中
2/15¥130,000ほぼ復活

📉このときのドローダウンを計算すると

【最大DD】

  • ピーク:¥150,000
  • 最安値:¥75,400
  • 金額:¥40,000
  • 割合:26.67%

👉 最大DD = 49.73%(¥74,600) 1/20


【相対DD】

  • 小さなピーク:¥101,600
  • 落下後:¥67,400
  • 金額:¥34,200
  • 割合:33.66%

👉 相対DD = 33.66%(¥34,200) → 2/2


🧠2つの違いをカンタンに言うと…

  • 最大DD:「とにかく一番お金が減った日」
    なので、金額をみることが重要
    実際に表記も金額が先!
    証拠金最大ドローダウン:
    40,000円 (26.67%)
  • 相対DD:「その時の資金に対して、一番キツかった日(%的に)」
    なので、%を見ることが重要

    表記も%が先
    証拠金相対ドローダウン:
    33.66% (34,200円)
補足解説
最大DD✔ 実際に“いくら減ったか”を知ることで、必要資金やロット調整の参考になる
相対DD✔ “資金に対して何%減ったか”がわかるので、感覚的なリスク把握や破綻ラインの判断に役立つ

DDを正しく見れば、EAの本当の顔が見えてくる

  • 「最大DD」は金額ベースの最大ダメージ
  • 「相対DD」はリスク管理で一番重要な“体感ダメージ”

とくに証拠金ベースのドローダウンを見ずにEAを選ぶのは、
ブレーキの効き具合を確認せずに中古車に乗るようなものです。

EAを評価するときは、必ず「証拠金最大DD」と「証拠金相対DD」の両方を見るようにしましょう!

✅相対DDと最大DDの使い分け

シーン見るべきDD理由
EAの性能比較・リスク感の把握✅ 相対DD感覚的リスクが掴みやすい
運用資金の見積もり・資金管理✅ 最大DD実際に“いくら減るか”がわかる
破綻シナリオの確認 最大DD と相対DDどこで耐えられなくなるかを定量的に判断

両方大事!

相対DDは“このEA、キツいかも”を感覚で教えてくれます。

でも最大DDは、“じゃあいくらあればこのEAを運用できるか”を教えてくれます。

つまり、感覚で見て、現実で備える。相対DDと最大DDは、トレーダーにとって両輪だと考えれば良いと思います。

補足:MT4のバックテストは残高最大ドローダウンです!

ではMT4の結果でも証拠金ベースの最大DDを見るには、

MT5を使う(エクイティDDを出してくれる)もしくは、

QuantAnalyzerなどの分析ツールに読み込めば可能です!
(評価額ベースのDDも計算できる)

タイトルとURLをコピーしました