動画では使い方を紹介しております。
はじめに

トレードをする際、複数の時間足でチャート分析を行うことは必須のスキルです。しかし、異なる時間足で引いたサポート/レジスタンスライン、トレンドラインなどを区別することは意外と難しいものです。
「このラインは1時間足で引いたものだったか、それとも日足で引いたものだったか?」
と混乱した経験はありませんか?
今回紹介する「MTF_ColorLines」(MTF = Multi TimeFrame)は、そんな悩みを解決するMT4用インジケーターです。マルチタイムフレーム分析(MTF分析)を効率的に行うために設計されたこのツールを使えば、各時間足で引いた水平線やトレンドラインが自動的に設定した色で表示され、時間足を切り替えても色が保持されるため、どの時間足で引いたラインなのかが一目で分かるようになります。
主な機能
- 時間足別の色分け機能: 時間足ごとに異なる色でラインが表示されます
- 水平線&トレンドライン対応: 水平線だけでなくトレンドラインも時間足に応じて色分けされます
- 一括削除ボタン: チャート上の専用ボタンをクリックするだけで、すべてのラインを一括削除できます
- 高いカスタマイズ性: 各時間足の色やボタンの位置など、様々な設定をカスタマイズ可能です
こんな場面で活躍します
1. マルチタイムフレーム分析での整理整頓
複数の時間足でチャートを分析する際、大きな時間足(日足・週足)で見つけた重要なサポート/レジスタンスラインと、小さな時間足(5分足・15分足)で発見した短期的なレベルを区別できます。色分けにより「このラインは日足の重要なレベルだから注意が必要」「このラインは短期の5分足で見つけたものだから、短期トレードのみ参考にする」といった判断が容易になります。
2. トレード戦略の階層化
例えば、以下のように色分けすることで、MTF戦略の階層化が可能になります:
- 月足・週足(黒・茶色): 長期的な市場の方向性を示す重要なトレンドライン
- 日足・4時間足(オレンジ・ターコイズ): エントリーの大枠となる中期的なサポート/レジスタンスライン
- 1時間足・30分足(緑・マゼンタ): 具体的なエントリーポイントの決定に使用
- 15分足以下(紫・青・赤): 精密なエントリーやイグジットのタイミング調整

3. バックテストの効率化
過去のチャートをバックテストする際に、異なる時間足で重要だったレベルを色分けして記録しておくことで、「このレベルブレイクは日足の重要ラインを超えたものだったのか、それとも単なる1時間足の短期的なラインだったのか」といった分析が容易になります。
設定方法と使い方
インストール方法
- ダウンロードした「MTF_ColorLines.mq4」ファイルをMT4のインディケーターフォルダにコピーします
- 通常は「C:\Program Files\MT4\MQL4\Indicators」または類似のパスにあります
- MT4を起動(または再起動)します
- ナビゲーターウィンドウを開き、「Custom Indicators」フォルダを展開します
- 「MTF_ColorLines」インジケーターをチャートにドラッグ&ドロップします
更に詳しい説明が必要な場合は別ページにて解説しております。
パラメーター設定
インジケーターを追加する際に表示される設定画面で、以下のパラメーターをカスタマイズできます。

- 各時間足の色設定:各時間足に対応する色を選択できます
- 1分足色: デフォルトは赤(Red)
- 5分足色: デフォルトは青(Blue)
- 15分足色: デフォルトは紫(Purple)
- 30分足色: デフォルトはマゼンタ(Magenta)
- 1時間足色: デフォルトは緑(Green)
- 時間足色: デフォルトはターコイズ(DarkTurquoise)
- 日足色): デフォルトはオレンジ(Orange)
- 週足色): デフォルトは茶色(Brown)
- 月足色: デフォルトは黒(Black)
- 削除ボタン設定:
- 削除ボタンを表示する: trueで表示、falseで非表示
- 削除ボタンのX座標: 左端からの距離(ピクセル)
- 削除ボタンのY座標: 下端からの距離(ピクセル)

基本的な使い方
- インジケーターを適用したチャートで通常通りに水平線やトレンドラインを描画します
- 描画したラインは現在の時間足に対応した色で表示されます
- 時間足を切り替えても、既に描画したラインの色は変わりません
- 新たに別の時間足でラインを描画すると、その時間足に対応した色でラインが表示されます
- すべてのラインを削除したい場合は、チャート左下の「D」ボタンをクリックします
実践的な使用例
例1:マルチタイムフレームでの重要な価格レベルの識別
- 月足チャートを開き、主要な長期サポート/レジスタンスラインを引きます(黒色で表示)
- 日足チャートに切り替え、中期的に重要なレベルを引きます(オレンジ色で表示)
- 1時間足に切り替え、短期のトレード用のレベルを引きます(緑色で表示)
これで、チャート上に表示されているすべてのラインが色分けされ、一目でどのタイムフレームのラインなのかが分かります。MTF分析の視覚的整理が簡単に実現できます。
例2:トレンドラインの階層分析
- 週足でメジャートレンドを示す長期トレンドラインを引きます(茶色で表示)
- 4時間足に切り替え、中期トレンドラインを引きます(ターコイズで表示)
- 30分足でマイナートレンドを示す短期トレンドラインを引きます(マゼンタで表示)
これにより、様々な時間足でのトレンドの関係性を視覚的に把握でき、MTF戦略に基づいたトレードの方向性を決める際の参考になります。
こんな方におすすめ
- マルチタイムフレーム(MTF)分析を活用しているトレーダー
- 複数の時間足でチャート分析を行う方
- チャート上のラインが多くなり整理が必要な方
- 視覚的に分かりやすい分析環境を求めている方
まとめ
「MTF_ColorLines」インジケーターを使えば、MTF(マルチタイムフレーム)分析において異なる時間足で引いたラインを色分けして管理できるため、チャート分析の効率と精度が大幅に向上します。マルチタイムフレーム分析は多くのプロトレーダーが採用する重要な手法ですが、このツールを使えばその実践がより簡単になります。
また、一括削除機能により、チャートを素早くクリアにでき、新たな分析を始める際の手間も省けます。
マルチタイムフレーム分析は優れたトレード戦略を構築する上で非常に重要ですが、多くのラインが入り混じると混乱しがちです。このツールを活用すれば、そうした混乱を解消し、より明確な分析とトレード判断が可能になるでしょう。MTF(Multi TimeFrame)の名前が示す通り、複数の時間軸を効率的に管理するために設計されたこのインジケーターで、あなたのチャート分析を次のレベルに引き上げましょう。
あなたのMTF分析にぜひ「MTF_ColorLines」をお役立てください!
※このインジケーターはMT4専用です。正常に動作しない場合は、MT4のバージョンを確認するか、最新版へのアップデートをお試しください。
MT5用も用意しております。
更新:YOTUUBE動画からご意見を頂戴しました!破線をいれてくれ!!!

実線を破線に変更したりもできますか?

とのご要望ありましたので実装してみました。
破線が必要な方は下記からバージョン1.10をご利用ください。

こんな感じですかね。
ただ後ほども紹介しますが、破線にする場合は、
Horizontal Lineプロパティ
からやったほうが早いかもしれません(;^_^A
作成したあとに気づきました!
新機能:破線表示オプション
バージョン1.10で追加された「破線表示オプション」を使うと、すべてのラインを破線として表示できるようになりました。
通常は下図の通り、実践を選択して、
Horizontal Lineプロパティを選択し
[全般]タブの中から選択していきます。
ただ今回の選択では最初から全て破線にするようにしてみました。


破線表示のメリット
- 異なる分析要素の区別: 重要なレベルを実線で、補助的なレベルを破線で表示するなど、分析要素の重要度を視覚的に区別できます
- 視認性の向上: 複数のラインがある場合、実線と破線を使い分けることで、チャートがごちゃごちゃせず見やすくなります
パラメーター設定(破線表示の使い方)

- インジケーターのパラメーター設定で、「破線を表示する」をtrueにすると破線になります
- false(デフォルト)にすると通常の実線で表示されます
新機能は一番下に追加しました。

破線機能の活用例
例1: 重要度によるライン区別
- 重要な価格レベル(大きなサポート/レジスタンス): 実線で表示
- 二次的な価格レベル: 破線で表示
例2: 分析の種類によるライン区別
- 主要時間足の分析: 実線設定でライン作成
- 補助的な時間足の分析: 破線設定でライン作成
あとがき
@hatatiiさん
ご意見ありがとうございました。