今日はスキャルピングを謳っているEAに関して小言を書いてみます。
まずは言葉の意味から確認していきましょう。
スキャルピングとは、数秒から数分という短い時間で何度も取引を行い、わずかな利益を積み重ねるトレード手法です。
文字通りの意味では「頭皮を剥ぐ」という言葉が使われることもありますが、主に細かい利幅を狙って連続して取引を行い、その小さな利益を積み重ねていく方法です。
ではここからさらに正確に定義していきます。
スキャルピングは、非常に短い時間枠(数秒から数分)で行われる高頻度取引の手法です。トレーダーは市場の小さな価格変動を利用し、多数の取引を繰り返して小さな利益を積み重ねます。この手法では、一つの取引での利益率は低いですが、大量の取引を行うことでそれらを合算し、利益を確保します。スキャルピングの成功には、高度な市場分析能力、迅速な意思決定、そして高速な取引実行が不可欠です。
そのうえで、スキャルピングをやる上でトレーダーが最初に気にすることはなんでしょうか?
ちょっと考えてみて下さい。
スキャルピングするうえで、まず最初に考えること🤔
スプレッドです。
※スプレッドに関しての記事は過去に色々と書いているのでここでは割愛します。
スプレッドがいかに狭いかが重要となってきます。
非常に短い時間枠でトレードをするわけですから、
価格の変動があり、その間にスプレッド分を埋め、さらに利益を確保しないといけません。
したがって、スキャルピングするトレーダー(スキャルパー)は1分足や5分足など短い時間足をメインとしトレードを行います。
例えば、XMトレーディングのスタンダード口座で考えてみましょう。
GOLD(ゴールド)のスプレッドは
平均4.0pips(ピップス)
ぐらいといわれてます。
ポジションをとった時点でこのマイナス分の4ピップスをプラスにする作業から入る必要があります。
短い時間足でこれはかなり不利です。
サーバー接続状況ウィンドウ
サーバー接続状況ウィンドウをご存じでしょうか?
MT4の右下にあるやつです。
「サーバー接続時間一覧」
「Ping(応答速度)表示画面」
「MT4のサーバーレスポンス確認画面」
その他、
サーバーレスポンス表示
とも呼ばれてます。

💡「サーバー接続状況ウィンドウ」ってなに?
MT4(MetaTrader4)or MT5 で取引をするには、証券会社(ブローカー)とのサーバーとやり取りする必要があります。
そのやり取りにかかる時間(=通信の速さ)をチェックできるのが、
📍「サーバー接続状況ウィンドウ」です。
📶何が表示されてるの?
このウィンドウには、こんな情報が出てきます:
表示 | 意味 |
---|---|
サーバー名(例:Europe 3) | 接続できる証券会社のサーバーの名前です |
19.35 ms | サーバーとあなたのPC(またはVPS)の通信速度です。「ms(ミリ秒)」=1000分の1秒 |
🚀どう見るの?
- 数字が小さいほどサクサク!(取引が速く反応する)
- 一般的に「50ms以下」ならかなり快適
- 20ms以下ならプロ仕様レベル
逆に…
- 100ms以上:ちょっと遅い
- 300ms以上:トレードのタイミングにズレが出ることも
しかし私が知る限り、スキャルEAを使っている人でこの部分を気にかけている人はものすごく少ないように感じます。
実際にご質問でも

スキャルEAをつかってますが、VPSの回線などは早いの全く問題ないです!
そこで質問ですが、・・・・・
と自信満々おっしゃる方がほとんどですが、実際に
サーバー接続状況ウィンドウ
を確認してもらうと下図のようになっていること多いです。

❌ 解説します!
この通信速度ではスキャルピングには不向きです。
最速で 146.16 ms(REAL256 – DC09)
となってます。
これを下の表で考えてみましょう!
理由と目安
通信速度(Ping) | 評価 | 備考 |
---|---|---|
0~50ms | ◎ 超高速 | スキャルピング・自動売買に最適 |
50~100ms | ◯ 速い | 一般的なEA・裁量にも問題なし |
100~200ms | △ まあまあ | 裁量ならOK、スキャルはやや不利 |
200ms以上 | ❌ 遅い | スキャルには向かない |
もしスキャルEAを使いたいなら、下図のサーバーぐらい早いものを使うようにしてください。

23.74 ms
スキャルピングのEAは勝てるのか?
わかりません。
しかし1ついえることは、
スプレッドが広いものでは無理と断言してもいいでしょう。
スプレッドが狭い口座のものがあるにも関わらず、広いものを使う必要はないからです。
もしスキャルピングをやりたい方は、口座選びは重要です。
スプレッドだけでなく、約定力も重要です。
その上で、システムトレード(EAなど)は効果的だと思います。
スキャルピングは常に市場を監視し、ちょっとしたプラスアクションを見逃さすポジションをもち、またすぐに決済までする必要があるので、EAなどのツールは使うことは非常に理にかなっています。
スキャルピングで生計を立てる人も多くいますが、スプレッドが広い口座で結果を出している人は
0人
と断言しておきます。
初心者ほどスキャルピングをやりたがる
初心者がスキャルピングに惹かれる理由は、3つあると思います。
1つ目
その取引スタイルが即座に利益を得られると思っているからです。
多くの初心者は、短期間で大きな利益を得ることに魅力を感じます。
2つ目
スキャルピングは小さな資本でも始めやすいと考えられることがあります。
損切りなども早めに行うので、ドローダウンもそんなに大きくはありません。
また、取引回数が多いため、初心者はトレードの経験を早く積み重ねることができると感じるかもしれません。
3つ目
かっこいい
スキャルピングはトレーダーの即座の反応能力や技術的なスキルを試す良い機会であると見なされることがあります。
短時間で市場の動きを捉え、その間に繰り返しトレードを行うことで、市場の理解を深めようとする初心者もいます。
ようは楽してお金を儲けることが出来れば
かっこいい
と独りよがりになりやすいということです。
スキャルピングはかなり難易度高いトレード
スキャルピングはFXトレードの中でも難易度が高い手法の一つです。
既に説明した通りこの手法では、非常に短い時間枠で何度も取引を行い、小さな価格変動から利益を得ようとします。
そのためまずは、高速で正確な市場分析が求められます。
市場が瞬時に変動する中で、トレーダーは迅速に情報を処理し、最適な取引ポイントを見極めなければなりません。
次に、スキャルピングは精神的な集中力も大きく必要とします。
連続して行われる取引の中で、小さな利益を積み重ねるため、エントリーとエグジットのタイミングを見極めることが至難の業です。
負ける回数もそこそこあるので、平常心を保てない人は無理と言ってよいでしょう。
最後に環境についてですが、
高速で取引を行うためのトレードプラットフォームやツール、そしてどのブローカーを使うかの判断もしっかりと行う必要があります。
重複とはなりますが、
リスク管理も徹底する必要があります。
価格変動の小さな幅で利益を狙うため、取引コストやスリッページ(注文価格と約定価格のずれ)が利益に与える影響が大きくです。
したがって、慎重な資金管理とリスク管理が欠かせません。
初心者にとっては、スキャルピングは市場の高速反応と専門的な知識が求められるため、理解するのが難しいといえます。
トレードの部分だけEAに依存するというのは1つ考えでありですが、
それ以上に様々なことを勉強する必要ありますので、
まずはトレードを知るために、
より長い時間枠でのトレードや基本的なテクニカル分析から始めることをお勧めします。
それからスキャルピングに興味を持って良いと思います。