最大DD(ドローダウン)とは
「最大DD」または「最大ドローダウン」は、投資のパフォーマンスを評価するための一つの指標で、投資家が経験した最大の損失を意味します。
特定の期間における投資ポートフォリオのピーク(最高値)からトラフ(最低値)までの割合を示します。
例えば、ある投資が初めて$1000で始まり、一時的に$800に下がった後に再び上昇した場合、この間の最大ドローダウンは20%となります。
この指標は、投資家がどれだけのリスクを取れるか、またはどれだけの潜在的な損失を耐えることができるかを理解するのに役立ちます。
EAを選ぶ際にはプロフィットファクター(PF:どれくらいの損益があるか)の次に、
最大DDを気にされると思います。
ただここで重要なことをEAを選ぶ時だけしか最大DDを気にせず、
運用が始まれば○○円儲かったや○○円損をした、はたまた昨日は危なかったの話しかしません。
本当に重要なことは実運用を始めた時に(フォワードテストも含む)最大DDの確認を定期的にしてるかどうかですか?
ではなぜ、最大DDを定期的に確認しないといけないのか説明をしていきます。
※この記事をEAを使って運用している方を想定して作成しておりますが、裁量トレーダーの方々にも通ずつものはあると思います。
運用スタートしても最大DDを確認する理由
リスク管理
まずは最大DDは潜在的な損失を表すためのものとして、EA選びには欠かせません。
バックテストの結果で最大DDが10%や20%というのもみて、リスクを確認させるとおもいますが、
実際にリアルで回し出すと想定していた最大DD以上のパーセントが出る事が多々あります。
その時こそ、その日のチャートを確認して下さい。
ようは想定の範囲内ではない動きが見れるチャンスであり、使っているEAがどのようなチャートが弱いかが確認出来ます。
特に市場が急激に動く期間にはこの最大DDが大きくなる傾向が高いですが、想定内の最大DDかどうかかによって気にするべきか否かの判断が出来ます。
したがって感覚に頼らず数値にて理解することでさらに正確なリスク管理が出来ます。
パフォーマンス監視
最大DDは投資戦略のパフォーマンスを評価することも出来ます。
例えば最大DDが30%のEAを使用したとします。
そして毎日の最大DDが毎回30%ぐらいだとします。
どう思われますか?
1つの考え方として、そのEAはある程度のリスクをとってトレードするタイプとうことが、考えられるので、リスクリワードの比率を確認する必要があります。
毎回リスクをしっかりと取りトレードをする場合であれ、リワード(利益)も都度つっかりともらいたいという考え方も出来るでしょう。
その他、最大DDを計測していくと、自分が思っていた投資戦略と違っているかもしれないと気づくこともあります。
うまく機能していない可能性や、EAを稼働させるタイミングなどの監視をするのにも使えるので、投資戦略の適切な見直しや調整が必要かどうかの判断に役立ちます。
投資戦略の強度
前述したように、バックテストでは得られない最大DDの更新を見る事が出来ます。
最大DDが更新されることは良い事ではありませんが、これまで知らなかったことを知れることはそのEAが市場の様々な状況にどれだけ耐えられるか、教えてくれることにも繋がります。
重要なことはどの程度リスクに耐えられるかを出来るだけ正確に把握する努力をすることです。
なぜなら、それによって証拠金(投資額)が変わってくるからです。
証拠金に関してのご質問もよく受けますが、証拠金の決め方は最大DDを確認した上で決めていく必要があります。
バックテストで10万円で始めて20%のドローダウンであれば本来は3万円ぐらいあれば十分ですが、
実際の運用ではそうはなりません。
※詳細は割愛しますが、そのうちの1つにモンテカルロ分析というのがあります。動画でも説明しているので気になる方は、ご視聴してみて下さい。こちら
どこまでリスクをとるかで証拠金は変わってきますのであくまでも最大DDはEAの強度を教えてくれるものですが、この強度は常に変わることも知ることが大事です。
ボラティリティの認識
特定の期間や日に最大DDが上がるケースもあります。
それは資産クラスのボラティリティ(価格変動)を示すものでもあります。
これはリスクとリターンのトレードオフを評価する際の重要な要素です。
最大DDが高くなったから
悪い
と判断するのではなく、なぜ最大DDが上がったかを期間や曜日で確認することで、最大DDとの関連性を確認することも出来ます。
潜在的な損失の理解
基本的なことになりますが、最大DDは、投資戦略がどれだけの損失をもたらす可能性があるかを理解するための道具です。
まずはドローダウンの計算方法ですが下記の通りです。
ドローダウン(%)= 損失額÷資金×100
例として、資金300万円のトレーダーが取引に負けた結果150万円まで減少したとします。
その場合、150万円÷300万円×100=50%です。
したがって、最大ドローダウンというのはその中でも一番大きいドローダウンということになります。
こう考えるとどれだけ重要なものかわかって頂けると同時に、
これは将来的におけるリスク許容度を評価ものの一要素ということがわかります。
したがって、EAを使ってどれだけ儲けられるかよりも大事ということが分かると思います。
絶対的なリターンと相対的なリターン
最大DDを毎日見ることは、絶対的なリターン(実際の数値利益)と相対的なリターン(ベンチマークや他の投資(EAも含み)に対するパフォーマンス)の両方を評価する際に重要な視点を提供します。
あるEAが全体的に良いリターンを出している場合でも、その最大DDが高い場合、それはリスクが高いEAと言えるかもしれません。
バックテストだけで確認した最大DDでは気づかなかったことや、わからないことを教えてくれるのに、
定期的な(毎日でもよい)最大DDの確認は必要というのが分かると思います。
最大DDを確認するツール
クアントアナライザー:無料
完全無料でやる場合であれば、このサイトでは何度も紹介してる
クアントアナライザー(クオンツアナライザー)です。
インストール方法から具体的な使用方法や応用編まで、記事及び動画にて紹介しております。
海外のツールなので、表記が全て英語となっていますが、基本的に確認するところは全て同じなので、慣れてしまえば特に問題はありません。
無料のツールなので是非とも使ってみて下さい。
EAHelper※条件付き無料
もともとこのツールは
「経済指標等での自動停止機能」をもったインジゲーターとなりますが、
機能が多彩でその中に、
最大DD表示・損益LINE通知機能
があります。
なので、こちらを使い日々の最大DDが確認可能と、ついでにLINEにも送ってくれます。
詳しくは別記事にて紹介しております。