MT5バックテスト編:市場スキャンについて

基礎
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この記事は下記動画の補足をするための記事となります。

また動画を視聴する時間がない方などはこの記事を読んでいただければと思います。

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市場スキャンとは

MT5のストラテジーテスターにある市場スキャンの機能は、ストラテジーテスターと呼ばれる、バックテストの中の機能の1つになります。

この機能の一番のメリットは1度の操作で、

複数の通貨ペアのバックテストの結果を取得できるところです。

通常のバックテストに比べると詳細は省かれますが、

損益や最大ドローダウンなど必ず確認する項目は出力してくれます。

市場スキャンの機能は、ストラテジーテスターの設定画面の「市場スキャン」タブで使用します。

使い方は非常に簡単で通常のバックテストとほぼ同じとなります。

市場スキャンの機能を活用することで、バックテストをより効率的に行うことができます。

では具体的な使い方を紹介していきたいと思います。

どの通貨ぺアをテストしたいか決める。

検証したい通貨ペアの選択は

MT5を起ち上げとあとに

「気配値表示」

を表示させてください。

上図の例でいけば、14個の通貨ペアが表示されています。

もし増やしたり減らしたりする場合は、

右クリックから下図のように

「銘柄一覧」

をクリックして操作が可能です。

※注意点

複数通貨ペアのバックテストを行うので、そこそこ時間がかかります。

PCのスペックに依存するので、際者は2つの通貨ペアに加え、短い期間(1か月)でテストを行ってみて下さい。

市場スキャンを選択

ストラテジーテスターの立ち上げ

まずはストラテジーテスターを表示させます。

「ツール」から「ストラテジーテスター(R)」を選択

概要タブ

ストラテジーテスターを起ち上げ、

概要のところから「市場スキャン」を選択。

設定タブ

「設定」のタブに移動するのでいつものように設定していきます。

1.「エキスパート」の部分に

お持ちのEAを選択

2.「銘柄」の部分は

すべて[気配値表示]銘柄

のままで大丈夫です。

3.時間足を決めます。

上図のケースでいけば、

M30
の30分足となります。

4.「日付」を決める。

最初は短い期間からやってみてください。

5.「入金」 の金額を決める。

証拠金になります

6.「レバレッジ」を決める。

お使いの口座のレバレッジに合わせてください。

パラメータータブ

次にパラメーターのタブに移動します。

パラメーターの調整はお好みで行ってください。

※MT4とちょっと画面が違いますが、基本的には同じです。

初期設定に戻したい場合は、下図のように画面上で右クリックし、

「デフォルト」

を選択すれば大丈夫です。

スタートボタンを押す

最後に「スタートボタン」を押し、

あと待ちます。

注意点

コンピューターのスペックに依存するので、

まずは通貨ペア数を3つぐらいにし、

3か月程度から始めてみて下さい。

市場スキャンで表示される項目

オプティマイズ結果

市場スキャンが完了したら、オプティマイズ結果のタブをクリックし結果を見ていきましょう。

下図のように表示結果となりますので、1つずつ用語を確認してきます。

基本的には気になるところとしては、

損益、取引回数、ドローダウンになると思いますが、

そのほかの項目も知っておくことでバックテストの見方の幅が広がると思います。

銘柄

通貨ペアのことです。

(例:EURUSD,XAUUSD)

気配値表示に出ている通貨ペアがすべて表示されるはずです。

結果

ストラテジーテスターの右上にプロダウン形式で色々な項目があります。

例えば、

[残高最大]

の場合は、

最初に設定した証拠金に加え、トレードでの損益の合計となります。

例としては、

証拠金1,500ドル

EAでの利益500ドル

の場合は、15,00ドルと表示されます。

色々と変更してみてください。

損益

EAでトレードした、利益と損失の合計から計算されます。

例として

700ドルの利益

200ドルの損失

の場合は、500ドルと表示されます。

取引回数

EAでの取引回数です。

指定された期間内に行われた取引の総数となり、
これにより、取引の活動レベルを測定できます。

プロフィットファクター

一般的にはPFと呼ばれるこのプロフィットファクター(Profit Factor)は取引の効率を測定する指標で、総利益を総損失で割った値です。1以上の値は利益が損失を上回っていることを意味し、通常は高い方が望ましいです。

  • プロフィットファクター > 1:総利益が総損失を上回っている状態。トレーディングが利益を生んでいることを示します。
  • プロフィットファクター = 1:総利益と総損失が等しい状態。ようはトントンです。
  • プロフィットファクター < 1:総損失が総利益を上回っている状態。トレードが損失をもたらしていることを意味します。

期待利得

「1トレードあたりの期待損益額」のことです。

ようは全てのトレードにおける総損益をトレードの総数で割ることで計算されます。

この値は、トレードにかかる時間の長さによって変動します。

具体的には、取引時間が短いほどこの値は小さくなり、長いほど大きくなる傾向があります。

ドローダウン%

最大ドローダウンの百分率で、資金の最大の一時的な減少を示します。低いドローダウンはリスク管理が良いことを意味します。

ドローダウンは非常に重要な確認事項の1つです。

ご存じない方は別ページでも紹介しておりますので、ぜひ読んでみて下さい。

リカバリーファクター

リカバリーファクターは、トレーディング戦略がどの程度の損失から回復できるかを測定する指標です。この数値は、トレーディング戦略の総利益をその戦略の最大ドローダウンで割ることによって計算されます。

  • 計算方法: リカバリーファクター = 総利益 / 最大ドローダウン
  • 総利益: ある期間における利益の合計。
  • 最大ドローダウン: その期間内で資金が減少した最大の割合。これは最大の損失を百分率で表したものです。

リカバリーファクターが高いほど、トレーダーはより速く、より効率的に損失から回復できると考えられます。
一般的に、リカバリーファクターが2以上であれば良いとされ、3以上は非常に優れていると考えられています。

シャープレシオ

シャープレシオは、投資のリスク調整後のリターンを測定する指標です。この比率は、リスクフリーレートを超えるリターンを投資の総リスク(標準偏差)で割って計算されます。

  • 計算方法: シャープレシオ = (ポートフォリオのリターン - リスクフリーレート) / ポートフォリオのリスク(標準偏差)
  • ポートフォリオのリターン: 投資から得られた収益率。
  • リスクフリーレート: 無リスクと見なされる投資(例:政府債券)から得られる収益率。
  • ポートフォリオのリスク: 投資の収益率の変動を測定する標準偏差。

シャープレシオが高いほど、投資はリスクに対して高いリターンを提供していると考えられます。一般的に、シャープレシオが1.0を超えると良い投資とされ、2.0以上で非常に良いとされます。ただし、この数値は市場の状況や投資の種類によって異なるため、相対的な比較に使用されることが多いです。

余談

シャープレシオは、1990年のノーベル経済学賞を受賞した米国のウィリアム・F・シャープ博士が1960年代に提唱した運用指標となります。
投資家と市場

過去のバックテストの結果も呼び出せる

MT4でよくあるのが、せっかくバックテストをとったにも関わずデータを保存していないばかりに、結果を消去してしまうことです。

MT5では過去の履歴もみれます。

下図のように

ストラテジーテスターの真ん中の部分になります。

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