金融トレーダーとサイコパスの関係に関する研究は無数に存在します。
その中でも最も引用されているのは、スイスのセント・ガレン大学が行った研究で、
『ビジネス倫理学』誌に掲載されたものです。
この研究では、1,200人の金融関係者を対象にアンケート調査が行われ、トレーダーや銀行家、投資マネージャーなど、高リスクな職業に就いている人々が、一般の人々よりもサイコパス的傾向を持っている可能性が高いことが示されました。
ただこの調査ではサイコパスの特徴として
「無神経さ、利己的な行動、社会的に不適応であること」
なども挙げられています。
なので、金融トレーダーにおけるサイコパス的な傾向と、市場の健全性についても検証されていて、サイコパス的傾向を持つトレーダーは、リスク管理が不十分であったり、自己中心的な金融決定を行ったりする可能性が高いこともわかりました。
あわせて、このようなトレーダーが市場に影響を与えることで、市場の健全性に悪影響を与える可能性があることも指摘されてます。
これらの研究結果から、金融トレーダーや他の高リスク職業に就いている人々は、サイコパス的傾向を持ちあわせてはいるものの、否定な内容もありました。
こうなると、サイコパス的な要素を持っている人はトレーダーには向いてないということになりますが、続けていきます。
まずは、私の中ではサイコパスは2種類に分けられると思ってます。
それは
頭の悪いサイコパスと
頭の良いサイイコパスです。
簡単に定義をすると、
頭が良いサイコパスは、自分の利益を最大化するために、より巧妙な手法を使いこなすことができ、社交的な能力も高いことが多いです。
一方、頭が悪いサイコパスは、思慮深さや洞察力に欠けることが多く、自分勝手な行動や感情のコントロールができないこと多い。
ようは、犯罪してもすぐに捕まるタイプと捕まらないタイプということです。
ただこのように表現すると、
サイコパス=悪い人間、嫌な奴
のイメージが付きやすくなりますが、私はそうは考えていません。
というのも、ある研究では下記のような人がサイコパスに向いていると考えられています。
1. CEO(最高経営責任者) |
2. 弁護士 |
3. メディア業界(テレビやラジオのプロデューサーやプレゼンター) |
4. 営業担当者 |
5. 外科医 |
6. ジャーナリスト |
7. 警察官 |
8. 聖職者(牧師、司祭など) |
9. シェフ |
10. 公務員 |
※注意:上の表はランキングではありません。また敢えて、ファンドマネージャーは外しています。
これらの職業がサイコパスに向いているとされる理由は、競争が激しく、自己中心的な行動や他人を操る能力が報酬や地位向上につながることがあるためです。
ただし、これらの職業に就いている人達のすべてがサイコパスであるわけではなく、あくまでも傾向の話であり、また上記にあるように、頭が良い、悪いサイコパスもいるので必ずしも成功するわけでもありません。
ついでにいうと、外科医をピックアップしてますが、内科医はサイコパス的は要因が少ない人が向いているという事実もあります。
さて本題にもどりますが、
上記の職種の人達は社会に必要ということは間違いありません。
なので、この記事で一番伝えたい
サイコパス(頭の良い)がもしトレーダーに向いているのであれば、どのような理由があげられるのかを考察していきます。
なぜサイコパスはトレーダー向きといわれることがあるのか?
冷静な意思決定が出来る
サイコパスは感情に左右されにくく、ストレスの多い状況でも冷静に意思決定ができるため、市場の変動に対処しやすいとされます。
トレーディングにおいて、冷静な意思決定は非常に重要です。
しかし市場の変動は予測できないことが多く、不安定であるため、感情的になりがちです。しかし、冷静で理性的な意思決定をすることは、重要な情報を見落とさず、誤った判断を下さないために必要です。
冷静なトレーダーは、トレンドやチャートの動向に注意を払い、市場の動向を判断します。これにより、大きな損失を回避することができます。また逆に、急激な価格変動に対しても冷静に対処し、パニックに陥ることなく、判断を下すことができます。
感情に左右されず、自分のトレーディング戦略に従って行動することができる彼らは、感情的な決断を下すことがなく、その結果、不必要なリスクを回避できます。
簡単な結論としては、トレーディングにおいては、冷静であり続けることが成功へのカギともいえます。
リスクへの対処が出来る
トレーディングでは、投資家がリスクを取ることになります。
しかし、リスクを正確に評価し、適切に対処できることは、成功するために非常に重要です。
サイコパスのような人々は、リスクを恐れず、大胆な投資判断を下すことができます。
これにより、大きなリターンを狙うことができる一方、失敗した場合のリスクも大きくなります。しかしながら、適切なリスク管理戦略を採用することで、リスクを把握し、最小限に抑えることができますし、やはり投資で一攫千金を掴んだ方々の自叙伝なんか読んでみると、
ギャンブル的な要素がかなり高いことをやって、成功した事例が多いため、否めません。
ただし、リスクを測定し、適切なリスク管理策を採用する能力が極めて高いため、市場変動に対処しやすいと思います。また、彼らはリスクとリターンのバランスを十分に理解していて、リスクを最小限に抑えつつ、最大の利益を追求することを常に考えています。
これは、市場の最新情報を正確に評価し、リスクを適切に評価する能力を持っていることに起因すると思ってよいです。
他人の感情や反応を利用
他人の感情や反応を利用することによって、トレーダーは市場の心理を理解し(大衆心理)、それを利用して投資戦略を立てることができます。
例えば、市場が楽観的な雰囲気に包まれている場合には、価格が上昇することが予想されます。このような場合には、トレーダーは市場の雰囲気に合わせて、買い注文を出すことができます。
また逆に価格が下落している状況で、売り注文が相次いでいる場合には、市場が一時的に弱気となっていることが予想されます。このような場合には、トレーダーは市場が回復するまで待つか、売り注文を出すことをします。
さらに、他人の感情や反応を利用することによって、トレーダーは市場の動向を予測することができます。
例えば、あるニュースが発表された際に、市場がどのような反応を示すかを予測するトレーニングを毎回行っています。
そしてこれを無意識のうちにやることにより、リスク管理も出来ているといえるでしょう。
これにより、トレーダーは市場の心理を把握することによって、投資戦略を立てることができ、リターンを最大化することができます。
自己中心的で競争力が高い
自己中心的で競争力が高いトレーダーは、自分の利益を追求する姿勢が強く、勝つことに執着するため、成功する可能性が高いです。
また自分のスキルや情報を最大限に活用し、市場での勝利を目指すために必要な努力を惜しまないことが多いです。
自分自身の能力やポートフォリオの改善に焦点を当て、他のトレーダーとの競争を意識し、市場での優位性を確立しようとします。
また、自己中心的であるため、市場での勝利を最大限に追求することができる一方で、他のトレーダーとの協力や倫理的などの問題を引き起こす可能性もあります。
しかし、他者に依存しない思考回路なので、新しいアイデアや投資戦略を考え出し、市場の変化に対応出来るので、成功する可能性が高くなります。
もちろん、時には自己中心的な性格が災いして、自分のプライドや勝利に執着しすぎる傾向があるため、トレードで一番やってはいけない、人と比べ過ぎてしまい、損切りが出来ないとか、無謀なポジションを取る傾向があります。
※これは頭の良いサイコパスでも稀に出てくる、感情でもあります。
結局サイコパス的な能力はトレーダーには向いているのか?
サイコパス的な考え方はトレーダーにとって良い面が多いです。
しかし、そのような考え方を持っていない人でも成功した人は沢山います。
なので良いところ取りをして、トレードをする時はサイコパス的な考えを持ち、普段の生活ではそのような考え方は押さえておいた方が良いかもしれません。
ただ本当に大事な考え方は、自分に合った投資戦略を見つけて、市場の波に動じないで長期的な視点を持って取り組むことだと思います。
以下、簡単にまとめてみました。
自分を理解する:
自分の投資目的やリスク許容度をきちんと理解し、それに基づいた目標を設定することが大切です。絶対に他者依存をしないことです。
まずは自分が理解することところからがスタートです。
ようは、
「わからないものには投資するな」
ということです。
リスク管理に注意:
投資はリスクが伴うものなので、リスクを適切に評価して、自分が認められる範囲で投資をすることが大事です。特にFXトレードは他の金融商品と比べてリスクが高いということを必ず理解した上で、取り組んで下さい。
分散投資を組み合わせる:
リスクを分散させるために、いろいろな資産や銘柄に投資することが良いです。
私も、FXトレードは大好きでやってみますが、その他のペーパーももちろんやってます。
それを行うことで、メンタル調整やストレスの軽減がかなり簡単になりました。
EAトレードと裁量トレードの両方を行う理由もメンタル的にかなり楽だからです。
長期的な視点を大切に:
FXトレードでは 短期的な市場の変動に一喜一憂してしまいがちです。
しかしFXトレードで勝つためには、長期的な成長を目指して取り組むことが重要です。
「隣の芝生は青く見える」
よく耳にする言葉ですが、FXトレードほどこの言葉が当てはまることはないでしょう!
トレードで負ければ負けるほど、他者が羨ましいと思い、他者が勝っているという事実を受け入れたたくありません。
それは自己否定に繋がるからです。
爆益系の情報なんか見ると、
「どうせ詐欺だし、嘘だよ」
と思いながら、
「もしかしたら???」
と感じる人は多いというのが現状です。
勝っている人の投資を批判したり、羨ましいと感じたりするのは、結局は嫉妬(しっと)からくるものです。
意味がないのでやめましょう!
意味があるのは、あなたの資産が長期的に増えるかどうかです。
嫉妬する時間は全て、検証時間に使いましょう!
編集後記
当たり前のことを、力説しましたが、当たり前の事をどれだけ愚直に行動し、継続出来るかが重要で、
FXトレードでいう
聖杯
などは探すものではなく、自分自身で作り出すもとと思ってください。
悪いと思う投資法があるなら、その逆のトレードすれば儲かるはずです。
ただそうシンプルではないですよ。
最近思うのが、良いFXトレードの手法や悪いFXトレードの手法があるのではなく、
上記に書きました通り、サイコパス的な要素である、冷静に物事を観察し、徹底的なリスク管理などを行っている人が上手くいってると強調して言えます。
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